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訪問介護の「身体介護」と「生活援助」——区分の誤りが報酬返還につながるケース

  • 4月7日
  • 読了時間: 2分

はじめに

訪問介護の報酬は、大きく「身体介護」と「生活援助」に区分されます。身体介護の方が報酬単価が高いため、この区分の判断を誤ると、過大請求として報酬返還を求められるリスクがあります。現場では「どちらに該当するか判断しにくい」という声が多く、実地指導でも頻繁に確認される項目です。


「見守り的援助」は身体介護に含まれるが、根拠が必要

たとえば、利用者が自分で調理する隣でヘルパーが見守り、必要に応じて手を添える「見守り的援助」は、身体介護として算定できます。しかし、これを身体介護で請求するには、ケアプラン上に「自立支援のための見守り」として位置づけられている必要があります。

実態としては見守り的援助を行っていても、ケアプランの記載が「調理」としか書かれていなければ、生活援助として扱うべきと判断される可能性があります。サービス区分は、現場の行為だけでなく、計画上の位置づけとセットで判断されるのです。


「身体介護に引き続き生活援助」の算定ルール

もう一つ誤りが多いのが、身体介護に引き続いて生活援助を行った場合の算定です。この場合は、身体介護の所要時間が20分以上であることが前提条件となります。身体介護が20分未満であれば、引き続きの生活援助を算定することはできません。

このルールを理解しないまま請求を続けていると、実地指導や監査で過去に遡って返還を求められることがあります。サービス提供責任者がこの算定ルールを正確に理解し、ヘルパーへの指導に反映させることが不可欠です。


サービス提供記録の記載が「証拠」になる

区分の妥当性は、最終的にはサービス提供記録の記載内容で判断されます。「どのような身体介護を、何分間行ったか」が記録に残っていなければ、適正な請求であったことを証明できません。

記録のフォーマットに、サービス区分ごとの所要時間と具体的な支援内容を記入する欄を設けておくことが、リスク管理の第一歩です。


おわりに

身体介護と生活援助の区分は、訪問介護の報酬請求の根幹に関わる問題です。曖昧なまま運営を続けることは、事業所にとって大きなリスクです。区分の判断基準に不安がある方は、行政書士や指定権者の窓口にご相談ください。

 
 
 

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