top of page

訪問介護の「特定事業所加算」——取得できる事業所とできない事業所の決定的な違い

  • 4月2日
  • 読了時間: 2分

はじめに

訪問介護事業所の報酬単価は決して高くありません。その中で経営を安定させるために重要な役割を果たすのが「特定事業所加算」です。この加算を取得できるかどうかで、年間の収入に数百万円の差が生まれることもあります。しかし、取得要件は複合的であり、「うちには無理だろう」と最初から諦めてしまう事業所が多いのも事実です。


特定事業所加算の要件は「体制」と「実績」の二本柱

特定事業所加算には複数の区分がありますが、共通して求められるのは「体制要件」と「人材要件」です。

体制要件としては、すべての訪問介護員に対する個別の研修計画の策定と実施、定期的な会議の開催、24時間の連絡体制の確保、指示系統の明確化などがあります。これらは日常の業務運営の中で確実に実施し、記録として残しておく必要があります。

人材要件としては、介護福祉士の割合や、勤続年数の長い職員の割合が一定以上であることが求められます。こちらは一朝一夕には満たせないため、中長期的な人材育成・定着の取り組みが前提となります。


「会議の記録」が加算の生死を分ける

特定事業所加算の取得・維持で最もつまずきやすいのが、会議の実施記録です。おおむね月に1回以上、サービス提供責任者が主催する会議を開催し、利用者の情報やサービス提供上の留意事項を共有する必要があります。

重要なのは、会議を「開催した」だけでは不十分という点です。開催日時、参加者、議題、共有した内容を記録として残し、参加できなかった職員への伝達方法も明確にしておかなければなりません。この記録が不備であれば、加算の取消しにつながります。


加算の届出は「取得して終わり」ではない

特定事業所加算は、要件を一つでも欠いた時点で算定できなくなります。届出後も要件を維持し続ける必要があり、特に研修計画の実行状況や会議記録は、実地指導で重点的に確認される項目です。加算を維持するための年間スケジュールを作成し、管理することが欠かせません。


おわりに

特定事業所加算は、事業所の「質の高さ」を報酬に反映させる仕組みです。要件は決して簡単ではありませんが、一つひとつは日常業務の延長線上にあります。取得を目指す方は、まず現状の体制と要件の差分を洗い出すことから始めてみてください。

加算の要件確認や届出手続きについては、行政書士がお手伝いできます。

 
 
 

最新記事

すべて表示
就労継続支援B型の「定員超過」と「人員欠如」——知らぬ間に減算されている事業所の実態

はじめに 就労継続支援B型事業所を安定して運営するには、利用者の確保が重要です。しかし、利用者を増やすことだけに注力した結果、知らぬ間に定員超過や人員欠如の状態に陥り、報酬が減算されているケースがあります。訪問介護事業と併設している法人では、職員の兼務が絡むことで問題がさらに複雑になることもあります。 定員超過減算——「1日でも超えれば」発動する B型事業所には指定時に定めた利用定員があります。1

 
 
 
訪問介護事業所の「運営規程」——作って終わりにしていませんか

はじめに 訪問介護事業所の指定を受ける際、必ず作成・届出が求められるのが「運営規程」です。事業の目的、運営方針、サービスの内容、職員の職種と員数、営業日・営業時間、利用料など、事業所運営の基本事項を定めた文書です。指定申請時に作成する書類の一つですが、その後何年も見直されないまま放置されている事業所が少なくありません。 運営規程と実態が乖離していると指摘を受ける 実地指導で意外と多い指摘が、「運営

 
 
 
就労継続支援B型の「サービス管理責任者」——確保が難しい理由と実務上の対策

はじめに 就労継続支援B型事業所を運営するには、サービス管理責任者を1名以上配置しなければなりません。この役職は個別支援計画の作成やサービス提供プロセスの管理を担う要のポジションですが、要件を満たす人材の確保が年々難しくなっています。訪問介護事業を母体にB型事業所を展開する法人にとって、サビ管の確保は最大の課題の一つです。 実務経験と研修修了の二重要件 サービス管理責任者になるためには、一定年数の

 
 
 

コメント


無料相談はこちら

事業に関するお悩みはお気軽にご相談ください。

電話番号(任意)
bottom of page